企業家精神について
㈱サイバーエージェントでは、「素直でいい人」を採用基準の一つと考えているそうだ。
出世ナビ あしたのマイキャリア:求む「素直に向き合える人」 巻き込み・突破力に期待
この記事は、あくまで採用する従業員についてサイバーエージェントが求める基準であるが、社長に求められる性格はあるのだろうか?
高名な経営学者であるドラッカが言うには、社長の性質・性格は企業家としての成功とは関係ないという。
ただし、唯一企業家に向かない気質は「確実性を求める人」、つまり、リスクを極力少なくしたい人だそうだ。
通常、「企業家のリスク>従業員のリスク」であるから、確実性を求める人は企業家になろうとは思わないだろう。
とはいえ、現実に社長と接してみると、事業が上手くいっている社長の性質・性格に一定の傾向はあるように感じる。
怒りっぽい人や穏やかな人、楽観的な人や悲観的な人といった相反する性格の社長がいるが、このような性格は企業家としての成功に関係ないと思う。
私が思う社長の性格の一定の傾向とは、「素直な人」である。
サイバーエージェントの採用基準が言う次のような人が、成功している社長に多いように思うのだ。
物事を素直にあるがままに見られる人、自分の良い点も悪い点も素直に受け止め向き合える人、という意味で、予期せぬ変化に直面しても、それを素直に受け止め、新しい状況で自らの能力を発揮できる人
強情で意地っ張りになると、社長に対して物申す人がほとんどいなくなる。
スーパー経営者でない限り(そう思い込んでいる人も多いが)、自分一人の知恵で複雑な経営環境に対して意思決定できる人は少ないだろう。
もちろん、「素直な人」は、自分で考えずに、人の言ったことを何でも受け入れる人という意味ではない。
要は偏屈にならず、自分を客観的に見ることができる人のことだ。
「素直な人」にはサポートしたい、応援したいと思う人が多く集まり、その力を結集して事業を進めることができるので、成功の可能性が高まるのだろう。
関連記事