中小企業の自己資本比率

経営するうえで、自己資本の充実はとても重要である。
その理由を話す前に、中小企業の自己資本比率に関するデータを見てみよう。
下図は中小企業白書2019年度版からの引用だ。
図から、2007年度、2016年度ともに、自己資本比率0%以上20%の中小企業が最も多いことがわかる。
日本の上場企業の自己資本比率は平均でおおよそ40%前後だ。
大企業と比べて、中小企業の自己資本比率は非常に低い水準にあると言っていいだろう。
しかし、自己資本比率が低いことは何か問題があるのだろうか?
その問いに答えるために、自己資本比率とデフォルト(実質経営破綻、破綻、代位弁済)との関係を見てみよう。
下図も中小企業白書2019年度版からの引用だ。
この図からわかることは、自己資本比率が高くなるほど、デフォルトのリスクが下がることだ。
自己資本比率が40%以上(一般的に目指すべき水準と言われる)の会社のデフォルト率は3.5%(100社に4社弱)であるのに対して、自己資本比率が0%未満の債務超過の会社は、15%程度が(おおよそ100社に15社)デフォルトしている。
債務超過の会社は自己資本が充実している会社の5倍も破綻しているのだ(中小企業と債務超過についてはこちらで解説)。
そして、これが中小企業が自己資本を充実させなければならない理由だ。
なお、自己資本や自己資本比率については、あきんどうの記事で詳しく解説しているので、参考にしてほしい。