中小企業の債務超過は解消できるか!?

債務超過の解消は、あなたが思っている以上に難しいのだ。

データがそれを示しているので、シェアしよう。

 

データはすべて、中小企業白書(2019年度版)からの引用だ。

まず、赤字企業の割合を見てみよう。

 

09年はリーマンショック(リーマンショック自体は2008年)の影響で大幅に赤字企業が増加しているが、その後は回復していきている。

ざっくり言うと、2007年から2016年までの赤字企業の割合は35~40%ぐらいだ。

 

さて、次に2016年までの過去10年間で赤字になったのは回数を見てみよう。

 

データによると、10年間黒字を継続している企業は15%あった。

一方、5回以上の赤字企業の割合は36.3%である。

 

資本が厚くない中小企業は(中小企業の資本についてはこちらの記事で解説しています)、赤字が続くと債務超過に転落する可能性が高い

 

それでは、債務超過企業の割合を次に見てみよう。

 

上記のデータから債務超過企業は、ざっと34、5%といったところか。

財務的に改善傾向にあることがわかるが、コロナ禍の影響で今後は悪化していくかもしれない。

 

最後に債務超過企業が、債務超過の解消に成功したかを見てみよう。

下記の図で自己資本比率0%未満は債務超過企業だ。

 

 

このデータについて、中小企業白書は次のように言っている。

これを見ると、2007年度時点において自己資本比率▲20%未満の企業の約79%は10年後においても自己資本比率は▲20%未満であり、大幅な債務超過に陥っている企業の経営改善の難しさが分かる。

他方、2007年度において自己資本比率▲20%以上0%未満の債務超過企業に関しては、約32%の企業が資産超過に転じており、債務超過が軽微なうちに経営改善を進めることの重要性が示唆される。

 

自己資本比率が▲20%未満の会社は債務超過から脱出するのは極めて困難であるということだ。

また、自己資本比率が▲20%以上0%未満の債務超過企業についても資産超過に転じたのは、3社に1社である。

やはり、債務超過の解消は難しいと言っていいだろう。

 

債務超過であっても商売を続けているような企業経営者は、特段そのことについて不安に思わない人もいるかもしれない。

しかし、債務超過企業は、破綻等の可能性が高くなるのは以前の記事で書いたとおりだ。

 

このデフォルトの割合ですら、楽観的に捉える経営者もいるだろう。

しかし、債務超過のままだと、運よくデフォルトしなかったとしても、あなたが事業をたたむときに困難に直面するかもしれない。

 

なお、債務超過についてはあきんどうの以下の記事でも解説しているので、参考にしてほしい。

赤字の慢性化を解消し、怖い債務超過から脱出する方法!

 

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