年金は破綻するのか!?

厚生年金などの公的年金は、現役世代の収入の一部を保険料として徴収し、それを財源として高齢者に支給する、世代間での支え合いの仕組みになっている(賦課方式)。

この公的年金制度は、将来破綻するのではないかと言われることが多い。

というのも、2010年に高齢者1人を現役世代2.8人で支えていたものが、2030年には1.8人、2050年には1.3人となるからだ(ちなみに、1990年には高齢者1人を7.3人で支えていた)。

端的に言えば、将来的に現役世代の負担が重すぎて高齢者を支えきれなくなるので、年金制度は崩壊するというわけだ。

 

しかし、公的年金制度の将来について、それほど悲観することではないと、次の記事は主張する。

参考記事:PRESIDENT Online 「少子高齢化で年金が崩壊する」そんな不安を否定する”あるデータ”」

 

年金制度の悲観的データは、65歳以上の高齢者を15歳から64歳の現役世代が支えるという前提で計算されている。

しかし、参考記事によると、前提が間違っているから年金制度は崩壊するという悲観的なデータになるのだという。

年金制度は現役世代が働いて得た収入から保険料を徴収するので、単純に年齢で線引きするのではなく、働いている人がどれくらいの働いていない人(高齢者)を養っているかの割合で算定すべきと参考記事は言っている。

このように考えると、実は働いていない人を支える働いている人の割合は過去から将来までほとんど変動がない(おおよそ就業者1人が非就業者1人を支えている)。

確かに、賦課制度である公的年金は、参考記事の前提により計算するほうが説得力があるように思える。

 

しかし、この参考記事を「はいそうですか」とそのまま受け入れる就業者はそれほど多くないだろう。

なぜなら、年金保険料負担が大きいという実感とこのデータの結論は大きく乖離しているからだ。

ここで厚生年金保険料の推移を見てみよう(参考記事の中の就業者1人が養う非就業者数も併記する)。

 

        厚生年金保険料            就業者1人が養う非就業者数

1970年    6.2%(4.6%)              1.05人

1990年 14.3%(13.8%)             0.96人

2020年 18.3%                    0.89人

注:厚生年金保険料の( )は女性就業者の保険料。厚生年金保険料は企業と折半するので、実際の就業者負担は半分。

 

上記データでは、就業者が養う非就業者数は減少している(つまり、就業者の負担は減少している)が、厚生年金保険料は大幅にアップしているのがわかる(保険料が上昇することは年金給付額が物価水準などを基準にしているため起こり得る)。

 

現役世代が負担を重く感じる主な理由は、実際に支払う年金保険料であって、何人の高齢者(あるいは非就業者)支えているかといった計算は支える人にとってさほど関心がないだろう。

現役世代(あるいは就業者)が高齢者(あるいは非就業者)を支える実際の金銭負担に耐えらず、年金の恩恵をさほど受けられないと思えば、国がどんなにきれいごとを言っても(豊かな老後のためなど)崩壊へ向かって進むだろう。

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