放置か増税か?

矢野事務次官の「財政破綻論」に対して、ロックシンガーの世良公則さんが批判している。
東スポWeb:世良公則 矢野事務次官の “財政破綻発言” を批判「彼らの理論では『放置』か『大増税』の二択」
財務省は、財務のストック・フローを総合的に管理・運営する省庁なので、与野党のバラマキ政策批判発言はそれなりに理解できる。
もし反対に、お金はどんなことでもいいのでバンバン使っていきましょうなどと財務省が言ったら、これはこれでとても心配になる。
しかしながら、財務健全化のために財務規律をいついかなる時でも守らなければならないとすると、世良さんの言うとおり、「放置」か「大増税」の2つの道しかないだろう。
国の経済成長により税収増を目指すことを、今は優先して考えるべきだと思う。
確かに持続的な経済成長を促すような財政支出を行うことは口で言うほど簡単ではないだろう。
しかし、今財務規律を死守することによって、持続的な経済成長が今後できるようになるのだろうか?
矢野事務次官の発言に対する批判は、肌感覚として給料が増えた実感が全然ないにもかかわらず、さらなる税負担を強いられるように感じたからだろう。
こう感じた人々にとって、財務規律を金科玉条のごとく守ることは、「座して死を待て」と言っているように思えるのだ。
そういった意味で世良さんの発言は、将来に対する重苦しい庶民の感覚を代弁したものであると言える。
「座して死を待つ(籠城)」より、少しでも持続的な経済成長の可能性があるなら、積極財政(打って出る)を選ぶ人がいても不思議ではない。