不便な解約の弊害
ディズニーの動画配信サービスの解約が複雑で会員から苦情が出ているようだ(以前、解約が面倒なサイトについての記事を書いた)。
もちろん、ディズニーは大手なので早急に改善されるだろうが、評判を落とすくらいなら最初から簡易な解約手続きを用意しておけばいいと思うのだ。
Jcastニュース:「ディズニープラス」会員から苦情 退会に十数ページかかる複雑さ…運営会社「改善に励む」
解約にかぎらず、顧客に不便であったり、惑わせるようなサイトの運営者は早急に改善したほうがいいだろう。
Jcastニュースの記事に書いてあるとおり、
利用者を惑わせるような設計は「ダークパターン」と呼ばれ、米国では法規制も進んでいる。
からであり、今後日本でも当該規制がなされるだろうからだ。
一旦契約した顧客を2度と離したくないというのはわからないでもないが、顧客が自分の意志で自由に解約するのが難しいというのでは、結局評判をかなり落とす。
解約が難しい、面倒であるということは、利用者にとって「解約できない」に等しい。
いや、解約手続き自体はあるのだから、「解約できない」というのは言い過ぎだろうと思う経営者もいるかもしれない。
しかし、利用者視点から言えば、同じであると思う人のほうが多いだろう。
特に、サービス利用開始時点の手続きが極めて簡単な場合、出口の解約が不便であると、事実上「解約できない」と思ってしまうものだ。
こうなると、サービス提供者側の囲い込みが、まるで牢屋に入れられているように感じてしまうのだ。
自由になった時(つまり、首尾よく解約できた時)には、二度と戻りたくないと思うだろう。
つまり、こういった顧客がリピートする可能性は絶望的に少なるだろう。
ましてや、このようなサイトの運営者が顧客満足度の向上に配慮しているなど言っても、当該利用者は全く信用しない。
お題目として「顧客満足度向上」を掲げる経営者は多いが、本当の意味でそれを達成することは難しいものなのだ。
なお、この手続き面に関しては、同じ映像配信サービスのNetflix(ネットフリックス)は非常に解約が簡便であり、利用者サイドに立ったサービスであり素晴らしいと思う。