好きなことで食べていく!?

「好きなこと」を仕事にできたら、どんなにいいだろう。
毎日が充実し、ワクワクするような日々を送れるかもしれない。
次の記事のなかで、ひろゆき氏は「好きなことは仕事にしない」と言っている。
ダイヤモンドオンライン:ひろゆきが「好きなことは仕事にしない」と結論づけたワケ
以前、私も「好きなこと」起業についての記事を書いたことがある。
その記事で「好きなこと」起業はしないほうがいいと書いた。
私もひろゆき氏と同意見だ。
「好きなこと」で起業できたら、社会生活の様々なプレッシャーから解放され、自己実現したように感じることだろう。
しかし、現実には「好きなこと」起業はハードルが高い。
なぜなら、自分の好きなことが商売になるかどうかは別の話だからだ。
自分の好きなことが、お客さんからお金を頂けるレベルの商品提供ができるほど得意であるとは限らない。
また、そもそも自分の好きなことを求めているお客さんが、自分が食べていけるだけいるのかということもある。
人は得てして、「好きなこと」=「得意である」と勘違いしがちである。
商売が上手くいかなかったとき好きなことにこだわりが強いほど、こうした勘違いをすると、売れないことをお客さんのせいにすることが多い。
そして、自分の失敗を認めることができずに、撤退すべき局面である場合に、逆に拡大してしまったりする。
自分の好きなことをお客さんにも認めてもらいたい(承認欲求)と考えてより多くのお客さんと接触したいと考えるからだろう。
もちろん、「好きなこと」で起業して成功している経営者もいる。
こうした経営者は「好きなこと」だから成功するまで頑張れたと言う人が多い。
しかし、こうした意見を額面どおりに受け取ってはいけない。
なぜなら、こうした社長の「好きなこと」は、同時に「得意なこと」であり、「お客さんがいた」とみるべきだからだ(その社長が意識していたかどうかわからないが)。
つまり、起業して早々、満足する水準でないとしても、損益トントンぐらいのレベルになっていたはずだ。
もし、1年も2年もお客さんがつかず、アルバイトしなければ生きていけないなら、そんなに頑張れない。
起業では、あなたのしたい商売に「お客さんがいる」かが最も重要であり、そのお客さんが満足する水準の商品を提供できるほど「得意である」かが次に重要であると思う。
誤解を恐れずに言えば、「好きなこと」は起業においてどうでもよく、あれば儲けもの程度に考えることがいいのかもしれない。