金持ち会社になろう!

コロナ禍による営業悪化で資金繰りに悩んでいる経営者の方は多いだろう。

利益を生み出さない現金預金(預金には利息はあるが)を多く持つことを嫌う経営者は多い。

しかし、手許資金が豊富であることを重視する経営者もいる。

下記の記事は、そのような考え方を持つ経営者の話。

ダイヤモンドオンライン記事:「二年の猶予で事業再生できないなら経営者失格」SHOEI山田元会長の内部留保の考え方

 

記事で紹介されているSHOEI元代表取締役会長の山田勝氏は、人件費の2年分のキャッシュを会社に備えておきたいとの考えがあるそうだ。

2020年決算において、確かに人件費のおよそ2年分のキャッシュを同社は保有している。

また、キャッシュの額は売上高のおよそ半分であるため、仮に売上が半年間ゼロであっても同社は耐えることができるキャッシュ量を保有している。

何らかの方針によりキャッシュ量を確保することは財務基盤の弱い中小企業では特に必要であろう。

 

ちなみに、2020年決算におけるキャッシュリッチな会社はどこだろうか。

東洋経済オンライン:コロナに負けない「金持ち企業」トップ500社

 

当記事ではネットキャッシュ額でランキングしているが、企業規模が違う企業間の比較が難しいので、ネットキャッシュに対する売上高の比率で見てみよう。

1位はソニーだ。

ソニーのネットキャッシュの売上高に対する比率は、「18,851億円 / 89,994億円=20.9%」だ。

 

2位は任天堂。

任天堂の同比率は、「12,167億円 / 17,589億円=69.2%」である。

 

3位は信越化学工業である。

同比率は、「10,644億円 / 15,435億円=68.9%」。

ソニーは、ネットキャッシュ”額”こそ多いが、売上高に対する比率では任天堂や信越化学に大きく下回っている。

 

SHOEIのネットキャッシュは、現預金残高と同じである。

だから、ネットキャッシュに対する売上高の比率は、「9,383百万円 / 19,479百万円=48.2%」となる。

規模こそソニーのような巨大企業に比べて小さいが、キャッシュリッチという点ではソニーの2倍強あり優秀であることがわかる。

 

なお、中小企業はキャッシュリッチを目指すことを当事務所では推奨しているが、「ネットキャッシュ」などについて当記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。

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