中小企業の未来

安倍政権下では、成長戦略のなかで中小企業に対する様々な施策がとられてきた。

中小企業を支援するための施策が多かったように感じる。

安倍前政権を継承する菅政権が誕生したが、中小企業にどのような影響があるのだろうか?

 

菅首相はドライな人のようなので、中小企業の延命のための支援策だけ行うということはないだろう。

次の記事によると、菅首相はアトキンソン氏と懇意のようだ。

菅首相はアトキンソン信者、中小企業に再編圧力

 

そして、そのアトキンソン氏は日本の中小企業(特に小規模企業)に対して概ね次のような考えを持っている人だ。

「日本は生産性が低い」最大の原因は中小企業だ

 

このアトキンソン氏の意見について憤りを感じる中小企業経営者の方もいるだろう。

しかし、成長戦略はそもそも「開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率・廃業率が米国・英国並み(10%台)になることを目指す」というものなのだ(ちなみに、民主党政権下の目標をほぼ引き継いでいる)。

開業率が注目されがちであるが、実は廃業率もかなり高い数字目標が掲げられている。

なぜなら、廃業率がある程度高いと、企業の新陳代謝が活発であり、これが高い成長の原動力になるからだ。

 

ちなみに、この開・廃業率のデータは中小企業白書(2019年度版)によると、次のようになる。

(出典:中小企業白書2019年度版)

 

廃業率が代替5%以下の水準(つまり目標の半分)で推移しているのが、このデータを見るとわかるだろう。

今回のコロナ禍で廃業率は上昇するだろうが、そういった特殊事情による廃業ではなく、方向性として今後は無理に中小企業を延命させるような施策は採られない可能性がある。

 

だとすれば、一つのリスクとして私たち中小企業経営者はしっかり自衛手段を講じる必要があるだろう。

ただ漠然と経営していれば、経営者として一生を終えることができるような時代ではなくなったということだ。

中小企業だからといって、経営に関する知識とスキルをないがしろにすると、気付かぬうちに廃業というブラックホールに引き込まれていくことになるかもしれない(誰もが幸せな廃業ができるわけではない)。

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