老舗デパート閉店に思う
山形県の老舗デパート大沼が倒産した。
地域の唯一のデパートがなくなってしまうニュースは、最近よく聞くので驚きはない。
大沼は前日まで「普通に」営業していたので、従業員はとても驚いたそうだ。
倒産は秘密裏に進むものだが、従業員や取引先でもわかる人はわかるものだ。
しかし、大沼の場合は、記事のとおり、従業員にとっては「明日破産します」という感じだったのだろう。
弁護士ドットコムの記事:「明日破産します」老舗デパートが閉店…そんな時、従業員はどうなる?
ネットを見ると、大沼を利用していた地元民の中には、衰退していることを感じ取っていた人もいるようだ。
この点については首都圏のデパートでも、かつてよりパットしないと感じている人はいるかもしれない。
デパート自体は衰退産業であると言われてから久しい。
実際、地方のデパートに限らず、首都圏でもいいニュースは聞かない(閉店や業績など)。
大沼の場合は山形唯一のデパートであるため、うちは大丈夫であると安心し、衰退の兆候に対する感受性が、経営者、従業員共に低くなっていたのかもしれない。
こうなると、茹でカエル状態だ。
変化を嫌い、変化を恐れる人は茹でカエルになりやすい。
現状を肯定するために、都合のいい情報しか信じなくなるからだ。
右肩上がりの時代がボーナス期間であったのかもしれない。
環境に対応して変化できるものだけが生き残っていくという、適者生存の時代がこれからは続くだろう。