生活満足度について思うこと

都道県の生活満足度ランキングというものがある。
ダイヤモンドオンラインの記事:都道府県「生活満足度」ランキング【2019年完全版】
我が神奈川県は13位。
一位は千葉県、二位は兵庫県、三位は埼玉県だそうだ。
記事によると、「交通」や「医療」への満足度が生活満足度に直結していると分析している。
同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、生活への満足度には「電車やバスの路線廃止・減便」「病院・医療施設の不足」に関する住民の不満や悩みが大きな影響を与えていると分析する。
千葉県や兵庫県といった首都圏・近畿圏にある県では、近年、電車などの混雑解消や通勤を快適にするための取り組みが私鉄を中心に行われている。特に私鉄が複数乗り入れていると、各社が顧客満足度を上げるために切磋琢磨して、満足度アップにつながりやすい。
面白いのは、東京が28位、大阪が24位であることだ。
「医療」、「交通」が生活満足度の主要ファクターであるなら、東京、大阪が中位にあるのは不思議だ。
「交通」に関して、東京、大阪は満足度が低いのではと思う人もいるだろう。
しかし、千葉などの都市圏の交通が改善されれば、東京の混雑も緩和される可能性が高いし、また、東京に住んでいる人にとって混雑に耐えなければならない時間は都市圏から通勤する人に比べて少ないはずだ。
だから、「交通」が東京や大阪のランキングを引き下げたとは考えにくい。
だとすれば、大きく引き下げる要因が他にあるはずだ。
おそらく、東京、大阪といった大都市特有の窮屈さみたいなものがあるのではないか。
端的に言えば、人が多すぎるのだ。
人口100万越えの都市を持つ都道府県のランキングは次のとおりだ。
北海道(札幌市)11位、福岡(福岡市)5位、宮城(仙台市)34位、京都(京都市)8位、広島(広島市)16位。
宮城県を除き(仙台はそれほど頻繁に行っていないが、個人的には良い街だなあと思う)、東京、大阪より上位にランキングされている。
これらの都市は適度な人口密度なため、「風通し」が良く、快適な住み心地なのだろう。
一方、下位にランクされている東北地方の4件(青森、秋田、福島、岩手)は、どの県も人口密度では40位以下だ。
つまり、人が少なすぎて「風がビュービュー吹いている」ようだと、住み心地が良くないということだ。
こういった点から考えると、上位にランクキングされている埼玉、千葉、神奈川あたりも今後はランキングが下がっていくかもしれない。
誤解を恐れずに言えば、埼玉、千葉、神奈川は東京で吸収できない人口の受け皿になっているからだ(端的にランキングに現れているのが神奈川)。
日本はこれから人口が減少していく。
そして、これは早期に解決可能な問題ではなく、長期的な対策が必要だ。
生活満足度が高い都市が各都道府県にできると人口減が逆転するかもしれない。
もちろん、この生活満足度の高い都市を作っていくのを主導するのは、行政ではなく商人だ。
ZOZOのように地方都市に本社を置く起業家がどんどん出てくればいいなぁと思う。