地味で安定したビジネスっていいね

飲食業で起業する人は多い。

飲食業は開業するのは簡単だが、安定させるのは難しく、起業したものの早々と撤退する人もいる。

 

しかし、なかには長期的に安定したビジネスを築き上げた経営者もいる。

東京都内に多くある立ち食いそば「名代富士そば」がそうだ。

 

創業者である丹道夫会長が安定したビジネスを築いている秘訣について語っているのでシェアしよう。

ダイヤモンドオンライン記事:そば好きじゃない富士そば会長が非効率経営で成功した理由

 

この記事のなかで、丹会長は成功した理由について次のように語っている。

私の経営哲学は「お給料は十分に与える」「社員にはあれこれうるさく言わず、自由にやらせる」の2つ。この2つを守れば経営はうまくいくと思っている。

あれこれと細かなことまで口うるさく管理されると、人間は働くのが嫌になる。なるべく、自主性に任せる方がいい。だから、富士そばには創業当時から細かいマニュアルはない。

それと、いくら自主性があっても、お給料が低すぎてはいけない。これは若い頃、丁稚奉公に出た経験から痛感したことだ。十分なお給料を与えないと、お金をくすねるなど、人間は裏で必ず悪いことをしようとする。安く都合よく人を使おうなどと考えても、そううまくいくものではない。

 

自分も部下に口うるさく言わないという経営者もいるだろう。

しかし、客観的に見てそれは実行できているだろうか?

 

実際に飲食業を経営していると、従業員やアルバイト・パートの人たちの給料は上げたくてもあげられないと思う人もいるだろう。

しかし、丹会長がおっしゃるとおり、『安く都合よく人を使おうなどと考えても、そううまくいかない』ものなのだ。

 

富士そばのやり方は、従業員に優しいすぎて、野放図な経営になってしまうのではないかと疑問を持つ経営者もいるだろう。

富士そばは、分社化して各社競争させることにより「経営のゆるみ」を回避している。

面白いところは、各会社は違う事業を手掛けているわけではなく、どの会社も富士そばの店舗経営をしていることだ。

違う業種を経営していると、その事業なら誰でも成功するといった言い訳ができるが、同じ業種で競争させると経営者の能力だけが業績の差となってあらわれる。

 

一般に、事業部制や分社化は、経営資源の活用が非効率になるというデメリットがある。

しかし、このデメリットを凌駕するほどの大きなメリットが富士そばにはあるのだろう。

 

なお、富士そばは、52年かけて現在135店舗しか出していない。

急成長する飲食業は年単位で100店舗ほど増加させるところもあるので、非常にスローな出店だ。

いきなりステーキなどの急激な出店ペースの会社は、その後急ブレーキがかかることが多い。

参考記事:飲食業の急成長が難しい理由!?

富士そばは、手堅く慎重な出店ペースを維持することで、安定的に成長しているところは素晴らしいと思う。

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