起業する人が少ない理由!?
起業は、起業を意識しない段階から起業を意識する段階にまず進みます。
そして起業を意識した人の中から、実際の起業活動をする段階に進む人が出てきます。
日本は実際に起業活動する人が少ない。
それは何故なのか?
2019年4月10日、日経新聞の「やさしい経済学」より。
同記事によると、
01年~17年に成人100人中、起業活動に従事したのは、米国では11.4人、中国では14.9人でした。
これに対して日本はわずか3.7人です。
ということだそうだ。
記事ではその理由について、次のように書いている。
起業したい人が起業できないからではなく、そもそも起業への意識がなく、キャリアの選択肢に起業が含まれていない人が圧倒的に多いからなのです。
起業を意識する人は米中に比べてかなり低いとはいえ、一旦、起業を意識すると起業活動へ進む人は米中と遜色はない。
起業を意識する段階から起業活動をする段階への移行率をみると、日本は20.1%で、中国の29.5%に及びませんが、米国の17.7%を上回っています。
では、なぜ日本は起業活動に従事する人の数が少ないのか?
記事では、その理由を次のように説明しています。
それは起業を意識を有する人が少ないからです。成人人口100人中、起業意識を有する人の割合は、米国の54.9%、中国の36.3%に対して、日本は12.5%にすぎません。
要は起業を意識する人がアメリカや中国に比べて圧倒的に少ないから、つまり、起業ステップ入口の母集団が少ないからということである。
まぁ、当たり前と言えば、当たり前の話だ。
しかし、起業を意識しない人たちを意識する人に変えていくというのは難しい。
最近では、中小企業庁など起業家支援策がとても充実しているが、これは起業を意識してからの人に対するものが中心だ。
この点、意識しない人向けの施策も行っているようだ。
けれども、思うほど効果をあげられないだろう。
あなたも経験があると思うが、人は興味を持った情報はどんんどん目に付く。
関連する情報が勝手に飛び込んでくるのだ。
反対に、興味のない情報はスルーが普通だ。
だから、起業に興味のない人が起業の情報を得る機会は少ない。
「起業という幻想(スコット・A・シェーン)」という本の中に、先進国で女性起業家が少ない理由を書いている。
それは他に稼ぐ機会、つまり、雇用者として働く場所が多いからだ(特に女性は、男性に比べて人のために働くことを好む傾向にある)。
実際、発展途上国の女性は先進国に比べて起業を目指す人が多いそうだ。
(人のために働きたくても働ける場所がないため)起業するしかないのだろう。
日本では、女性だけでなく、男性も「人のために働くことを好む」傾向にあるのではないだろうか?
加えて、最近ではとても個性的な起業家ばかりが目立つので、起業家にマイナスのイメージを持つ人も多いのだろう。
しかし、日本の雇用関係も大きく変わりつつあることを考えると、今後は日本でも起業に関心を持つ人が増えていくだろう。