人手不足による倒産が増加!

東京商工リサーチの調べによると、2018年は人手不足による倒産が過去最高となる見通しだ。
一口に人手不足といっても、様々なタイプがある。
2018年は、業務を担う人材が確保できず事業が続けられなくなる「求人難型」が66%増の53件であった。
また、人材つなぎ留めのための待遇改善がコスト増に跳ね返った「人件費高騰型」も71%増の24件だそうだ。
なお、経営者の病気や引退による「後継者難型」は13%増の261件である。
マスコミなどに取り上げられることが多いので、「後継者難型」はよく知られているが、2018年は「求人難型」や「人件費高騰型」が大きく増加していることが目立っている。
この記事のなかで、注目したいのは廃業ではなく「倒産」が増えているということだ(人手不足も含め全体としての倒産は減少傾向にある)。
人手不足を理由とするいずれのタイプも、いわゆる「倒産」したということなのだから、お金が回らなくなったということだ。
「人件費高騰型」は、優秀な人材が辞めないように給料をあげたなどで資金繰りが厳しくなっていく。
「求人難型」は現状の給料水準では魅力を感じないので、応募がないということだろう。
このまま放置しても雇用されたいと思う人がいないので、いずれ売上が減少し、資金繰りが厳しくなっていく。
もし、魅力的な給与水準まであげれば、「人件費高騰型」で資金繰りがひっ迫する可能性がある。
言えることは、1、2名の給与水準を上げることで、倒産に至るような致命傷を負いかねないほど中小企業の財務状態は脆弱である可能性が高い。
だから、経営者人生の最終段階で苦労することがないように、経営問題を先送りすることなく適時に対応していくことが重要なのだ。