信頼で横領は防げない!
タレントの中川翔子さんの個人事務所で資金の消失があったそうだ。
なんでも中川さんの個人事務所の経理を古くからの知り合いに一切まかせていたが、その資金の一部が消えていたそうだ。
中川さんのケースは実際に横領があったのかどうかは裁判の結果を見ないとわからないが、こういった横領の話は会社経営者なら一度は聞いたことがあるだろう。
中川さんのケースと同じように、横領された会社の経営者は「経理担当者を信頼して、一切まかせていた」と言うことが多い。
もし、あなたの会社も経理を、経理担当者一人に一切任せている状態なら横領事件が起きてもおかしくない。
こういうことを言うと、「私は従業員を心底信頼しており、うちの従業員に限ってそんなことはしない」と怒る方もいるだろう。
また、性悪説にたって人間を見るのは良くないのではないかと思う人もいるかもしれない。
しかし、信頼している人の置かれている状況は変化することのほうが多いだろう。
経営者であっても、その人の現在の状況のすべてをタイムリーに把握できないはずだ。
そして、通常であれば横領などしない人であっても、その人の置かれている状況によって、「魔が差す」ということはあり得る。
だから、会社にとっても従業員にとっても不幸な事件が起きないように不正を防止する手段は重要だ。
有名な稲盛和夫氏が言うように、経営者は不正を防ぐ仕組みをつくることで、ひとが罪を作ることを未然に防ぐことができるのだ。
経営者が従業員に罪を作らせない仕組みを作るほうが、ただ信頼していると言ってすべてを任せてしまうより、従業員にやさしいシステムであり、本当に従業員のことを真剣に思っていると言えるだろう。