ゾンビ企業の救済!?

産業革新投資機構(以下、JIC)の取締役9人が辞任したそうだ。

 

JICは官民出資の投資ファンドである。

その投資対象は大学や研究機関が有する特許や先端技術による新事業、ベンチャー企業の有望な技術などだ。

したがって、私たち一般の中小企業がお世話になることはないだろう。

 

では、なぜこのニュースを当ブログで取り上げたのか?

それは、取締役の一人である星岳雄氏の経済産業省へのコメントがとても興味深いものだからだ。

ニュースによると、星野氏は取締役を辞めるにあたって、次のような発言をしたとのことである。

JICがゾンビ企業の救済機関になろうとしているしているときに、私が社外取締役にとどまる理由はない

ちなみに、ゾンビ企業とは本来なら市場から撤退すべき将来の展望のない企業(隠れ倒産企業)のことだ。

 

中小企業経営者の中には、最終的には国が面倒を見てくれると思う人もおられるだろう。

確かに、記事では経済産業省(つまり、国)が「救済」というスタンスを取っているように読める。

 

しかし、あまり甘い認識を持たない方がいいだろう。

なぜなら、「日本再興戦略ーJAPAN is BACKー」(2013年6月閣議決定)の「中小企業・小規模企業者の革新」では、「開業率・廃業率10%台を目指す」という成果目標を掲げていたからだ。

 

実は日本の開業率・廃業率は2004年から2009年の平均で5%弱である。

これは欧米先進諸国と比べて、開業率・廃業率ともにおよそ半分程度の低い水準なのだ。

中小企業経営者の中には、開業率はともかく、廃業率は低ければ低いほどいいと思う人もいるかもしれない。

しかし、入ってくる水(開業する企業)より、出ていく水(廃業する企業)の方が少ないと、溜まっている水はどんどん澱んでいってしまう。

だから、開業率・廃業率はセットで考えなければならないのだ。

 

こういった国の方向性を念頭に、私たち中小企業経営者はゾンビ企業と認定されないよう、自助努力をしていかなければならない。

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